羽を持つ生き物たちにとっては朗報
2000年12月に東京都は自然保護条例を改正し、国内で初めて、新改築のビルに「屋上緑化」を義務づけることを決めた。
羽を持つ生き物たちにとっては朗報だ。
これに先駆けて進行していた、ビオトープ・ガーデンのコンセプトを取り入れた屋上庭園がまもなく完成する予定なので、ここで紹介しておこうと思う。なかなかタイムリーだしね。
場所は静岡県浜松市。駅前の再開発ビルの屋上に現在創られつつあるビオトープ・ガーデンだ。浜松中央地区公共公益施設基本計画-子どものための文化施設整備事業-。僕が手がけたのはその植栽計画だ。ここではごく一部だけを紹介しておこう。
子どものための文化施設整備事業
屋上庭園7F平面図
A フラワーガーデン&日だまりデッキ
中高木は可能な限り株立ちを使用する
- 低木 形状規格 数量備考 ブルーベリーとガマズミ を、およそ2:1の割合で粗密をつけるようにランダムに混植し 地被 斑入アイビーで隙間を埋める
- 地被 ブルーフェスクを粗密をつけるようにランダムに植え付け レモングラスの大小の群落を所々に作る φ1cm,3cm,10cmの伊勢錆をランダムに取り混ぜて敷く
- 地被 ラベンダー デンタータ
- 低木 ブルーベリーをランダムに植え粗密のある茂みを作り 地被 ランタナで隙間を被う
- 地被 シラー カンパニュラ 球根 シラー ペルビアーナ 球根 アガハ ゜ンサス 球根 ラッパズイセン 球根 ムスカリ 球根 ヒアシンス 球根 オーニソガラム ウンベラータム 球根 といった球根植物の上を フイリカキドオシ、クローバー 播種 で被う
- 低木 一重咲きクチナシ、キンマサキ、アゼリア、ウグイスカグラ、カマツカ を粗密をつけランダムに混植し 地被 エレンダニカ で隙間を埋め カサブランカ 球根 ルレーブ 球根 などといったオリエンタルハイブリッド系のユリや フイリノシランを所々に植える
- 低木 アゼリア、地被 モモバギキョウ、キキョウ、オミナエシ、オカトラノオ、カワラナデシコをランダムに植え大小の群落をまばらに配置する ヤハズススキ、シマススキ で被う
- 低木 カマツカ、サンザシ、ウグイスカグラ、サンショウ、地被 カサブランカ 球根 ルレーブ 球根 フジハ ゛カマ、オカメザサで隙間を被う
- 低木 地被 クサソテツ、ゼンマイ、ギボウシ各種 斑入り品種の混植 アヤメ を池の周辺に植え フイリカキドオシ で被う ヌマトラノオ、ノハナショウブ、キョウガノコ、モウセンゴケ、ミズゴケ 乾燥させたものでも可 サギソウ、トキソウ、ミソハギ、サワギキョウ、クサレダマ、ショウジョウバカマ をランダムに組み合わせて湿地部分に植える
- 地被 アシ、ガマ、フトイ、カサスゲ、ヒメスイレン をプランターに植えて沈める
- 低木 ネコヤナギ、クロメヤナギ、ユキヤナギ 地被 アジュガ 地被 オカトラノオ、アガパンサス 球根 をランダムに植え ウィーピングラブグラス 播種または株植え キンウラハグサで被う
- 地被 ローズマリー
- 地被 オランダイチゴ
- 低木 修景バラ ノアトラム赤 ノアシュー白 ノアメルピンクの3色、ノイバラ を配し 地被 フィカスプミラでエッジや隙間を埋める
- -中略-
- 地被 シンテッポウユリ 球根 スカシユリ 球根 をランダムに植え ブルーフェスクで被う フェンス用植栽 ツルウメモドキ、アケビ、ブラックベリー、ノウゼンカズラ、ヒメノウゼンカズラ, キウイフルーツ
2000年12月に東京都は自然保護条例を改正し、国内で初めて、新改築のビルに「屋上緑化」を義務づけることを決めた。
当時のasahi.comの記事によれば「一定の敷地面積を超えるビルを対象に、緑化計画書の届け出を義務づけ、従わない場合は罰金を科す。15日の都議会で可決され、来年4月から施行の見通 しだ。新しい緑地の出現は、温暖化防止だけでなく、大気の浄化、都会の潤いづくりにも一役買いそうだ。
都環境局によると、都内全域の敷地面積が250平方メートル以上の公共施設と、1000平方メートル以上の民間施設を対象に「緑化計画書」の届け出とともに、利用可能な屋上スペースの20%に樹木や芝、草花などを植えることを義務づける。屋上緑化が困難な場合は、それに見合った面 積を敷地内に確保させる。
改正案では、計画書を出さない事業者には勧告を行い、従わなければ20万円以下の罰金を科す。-中略-
屋上緑化は、ヒートアイランド現象の緩和だけでなく、大気浄化などにも効果 がある。土や緑が断熱材の役割を果たすため、ビルの省エネルギー効果もある。」と、なっている。