明るく乾いた場所にはキッチンガーデンがぴったりです。野菜やハーブ、果 樹類を植えて身近な小鳥やチョウと仲良くしましょう。キッチンガーデンには、チョウの幼虫たちが大好きな野菜がいっぱいです。穴のあいた葉っぱは無農薬の証拠。子どもたちと一緒に、イモムシの観察をしましょう。
ベランダのキッチンガーデン
日当たりのよいベランダは乾燥がち。うっかり水をやり忘れると、大変なことに。でも南欧料理の野菜やハーブたちを菜園の主役にすれば、かなり安心できます。半砂漠状態のスペイン周辺で栽培されているものなら、当然乾燥には強いはずですからね。木の実や野菜の半分は、窓辺を訪れる妖精たちのものと割り切りましょう。彼らだって、一生懸命なんですからね。
ゲッケイジュ、オリーブ、ブルーベリー、ブラックベリー、キュウイフルーツ、ツキヌキニンドウ、
ローズマリー、ラベンダー、ペパーミント、バジル、宿根サルビア、ナスタチューム、ブロッコリー、キャベツ、パセリ、セロリ、ミニトマト、ルー、コリアンダー、カモミール、マリーゴールド、カレンソウ、ミョウガなど。
エディブルランドスケープ
エディブルランドスケープという考え方をご存じですか?公園や街路樹、住宅の庭やベランダ、壁面 、屋上などの植え込みを食べられる植物で作ってしまおうというものです。米国カリフォルニアの学園都市デービスの住宅地では、住宅地内の歩道沿いに果 樹や葡萄が植えられ、 花を楽しむだけでなく、住民は自由に収穫を楽しむこともできるのです。そればかりか、余った木の実を求めて野生の生き物たちもたくさん住み着くようになったのです。自然の失われてしまった都市環境では、元々その土地にあった植物を植えて本来の自然を取り戻そうとすることも大切ですが、園芸作物を積極的に環境の中に取り入れた方が効率がよいのかもしれません。ビオトープガーデンは、さらに一歩押し進めて、積極的に身近な生物と仲良くしていこうとしている訳なのです。
グランドカバーも一味違う、キッチンガーデン
グランドカバーは、雑草や猫のいたずらを防ぎ小動物の隠れ家や蜜を提供します。
ワイルドストロベリー
花付きがよく香りのよい実が楽しめる美容薬。シミ、そばかす、日焼けに効果 が。葉は痛風に効くハーブとしても利用される。ストロンと呼ばれるツルで増え、ぶら下がっている様子もかわいい。
カキドオシ
紫色の花がかわいい。成長が早く垣根を突き抜けるところからこの名が付いたとされ、日陰でもよく増える。 花や葉は揚げ物やサラダに。インディアンペニーワートとも呼ばれ、糖尿病にも効く。
ココナッツゼラニウム
香料ゼラニウムとして有名。さわやかな香りは、イギリスなどで口臭を消すのに使われたりする。シルバーグレーがかった葉もかわいい。
オレガノ
トマトととっても相性のいいハーブで、イタリア料理には欠かせない。新芽を料理の種につまむほど、こんもりと茂ってくる。花はドライフラワーに。
小鳥を呼ぶ
ブルーベリーやブラックベリー、ラズベリー、オリーブ、フィジョアはヒヨドリやメジロ、ウグイスなどの好物です。イギリスでは、よく「半分は妖精のために残しておく」なんていってますが、欲張って全部収穫してしまわないで、小鳥たちのために少しずつ残しておいてあげましょう。
ハーブ類やイネ科の雑草の種はスズメやカワラヒワが大好きです。かわいい穂の出るカナリークサヨシのような牧草や繊細なコバンソウ、場所に余裕があったらライ麦や小麦も少しだけ植えてみるのも、ワイルドな風情を庭に添えることができて楽しいかもしれません。ヒマワリやアブラナ、カモミールも花が終わったからといって、さっさと刈り取らないようにね。実がなるのを楽しみに待っている小鳥たちがいることを、忘れずに。
ネコなどに襲われないよう、なるべく見通しのいい場所を選んで、お皿に滑りどめの小石を敷き詰め、深さ1~2cmの水飲み場を作りましょう。パスタ皿がお勧めかな。
チョウを呼ぶ
キッチンガーデンには、チョウの幼虫たちが大好きな野菜がいっぱいです。穴のあいた葉っぱは無農薬の証拠。子どもたちと一緒に、イモムシの観察をしましょう。 セリ科のパセリ、セロリ、ニンジン、ミツバにはキアゲハが卵を産みにきます。そしてローレルにはアオスジアゲハが、アブラナ科のクレソン、ロケット、キャベツ、ブロッコリー、カリフラワーにはモンシロチョウやスジグロシロチョウが、ナスタチウムにはスジグロシロチョウが、ソレルやスイバにはベニシジミが、フジマメやアズキにはウラナミシジミが卵を産みにきます。