Skip to Content

気ままニュース

氷河期からの贈り物

usubasiro

ウスバシロチョウ

松本にある戸谷峰(1621m)の登山口(1000m)附近で、ウスバシロチョウのメスが羽を休めていた。これでもれっきとしたアゲハチョウの仲間だ。ギフチョウなどと並んで、原始的なアゲハのグループと考えられている。もう3週間ほど早ければヒメギフチョウも見られたはずだったけど、残念ながら会えなかったね。こいつらはカタクリなんかとセットで残された氷河期の置き土産でもあるんだよね。それはまあ良いとして、他には気の早いアサギマダラなんかがいたのには驚かされた。早すぎないかい?

原始的と言えば20年ほど前に発見されたウンナンシボリアゲハも、ギフチョウに結構近かったはず。当時カラスアゲハの羽の形に関する多変量 解析の論文を書いてた流れで、鱗翅学会に顔をだした時の事を思い出しちゃった。日本からの探検隊があっちで発見した直後、中国側から横槍が入って、結構もめたあとでもあったんで、チョウのマニアや取材陣でごったがえしてたっけ。

発見者が、長っが~~~~い前置きの末ついに
「これがそのウンナンシボリアゲハです!!!」
ってスライドを映したとたん会場中からフラッシュの嵐が巻き起こり、当然画像は真っ白に。

ば・か?!
(T。T)

森のエビフライ

risu
エビフライ定食?

実は、リス君がかじった松ぼっくりの食べ残しなんだ 。でも、似てるでしょ?カサの間の種を食べた残りがこんな格好に。これが転がってるってことは、近くにリスが棲んでるって証拠なんだ。
nonezumi
食べ散らかし~~!!

これは、ノネズミの仕業。もっと大事に食べて欲しい様な気もする。
どちらも調査に行った多摩湖のほとりに生えている同じ松の木の下に落ちていたもの。

野鳥と楽しむ初夏の味覚

someiyosino
ソメイヨシノ

学生たちとビオトープ散歩を楽しみながら、せっかくだから野鳥の食卓に交ぜてもらうことにした。染井吉野はやっぱり旨い。小粒のダークチェリーだね。ただ、時々樹によってはひどく苦いのがあるのでご注意。

yusuraume
ユスラウメ

これはなかなか野生化していないなあ。公園なんかに、もっと植えてくれると良いのにねえ。もぐもぐ。

kuwa
クワ

鳥の糞からでかくなったのがどこにでもあるけど、やっぱり詩に詠われるだけあって、食べでがあるけど、舌や指が黒くなるのがねえ….。みんなで、「デーモン小暮」ごっこをやってしまった。閣下、ごめんなさい。これからは「キッス」ごっこにします。

kusaitigo
クサイチゴ

日本のラズベリー。あんまり旨いもんで、小鳥たちの人気が集中して、都内の至る所で見られるようになった。イギリスあたりじゃあ、ジャパニーズ・ワイルドベリーとか言って、結構人気がある。鳥だけに食わせておくのは、もったいない。

suikazura
スイカズラ

最後の仕上げにドリンクサービスはいかが?花を摘んで、筒の根本から吸うと、甘い蜜が。
ヒヨドリさん、ムクドリさん、メジロさん。どうもごちそうになりました。次回はスグリとグミ、ムクノキをごちそうになりに来ま~~す。

お・は!

heisaka

タチツボスミレの閉鎖花

目黒自然教育園に行って来た。今年の学生さんたちは、本当に自然が好きでこのコースを選んでくれた人ばかりなので、授業をしていても、ほんとに楽しいね。
さて、中央左よりの虫食いの葉の上にあるのがタチツボスミレの閉鎖花だ。左下の丸く膨らんでいるのが、実。前にもちょっと書いたんで、覚えている方も多いとは思いますが、開花期も終わりに近づく頃、蕾のまま自家受粉して咲かないで終わる閉鎖花が林のそこここで観察されるようになります。
春の早い時期には綺麗な花で虫を呼び、花粉を運んでもらって遺伝子交換を行い、今の時期は確実に種の取れる自家受粉に切り替わるのです。万が一、虫が来てくれない場所に生えていても安心というわけです。

matukaze
マツカゼソウ

紅葉も美しいミカン科の野草です。「花よりも葉の美しき」と歌う西脇順三郎や、芭蕉にならうまでもなく、この密やかな美しさには、誰でも感じ入るはず。でも、臭いはと言うと、近縁種の「ねこよらず」によく似てちょっと遠慮したい感じ。ひょっとして同じ効果 があるのでは?と、にらんでいる。

mitugasiwa
ミツガシワ

これは高尾山のブナと同じ低地順応型のミツガシワ。氷河期の名残だ。石神井公園などに、天然記念物に指定されている自生地が残っている。こっちは逆にマタタビと同じ効果 のあることが知られている。

mizuki
ミズキ

「あおばわかばのひのひかり」
雨のあとの林は、本当に良い香りで満たされている。
ミズキは水辺に生える木の代表種かな。新芽の出始める頃、幹に傷を付けると水がにじみ出ることから、この名が付いた。
ミズキ、カエデ、ケヤキ、エノキ、ムクノキ。ここには渓伴林を構成する木々がそのまま残されているだけでなく。樹齢600年と推定されるスダジイも多く、水辺の大きな木のうろではオシドリの繁殖も確認されている。山手線内とは思えないよね。

noibara
ノイバラ

と、言うわけで、今回は花見ならぬ 「お葉見」を堪能してもらったんだけれど、黄昏に咲くノイバラがあまりにも凛々しかったんで、つい載せてしまっただよ。

シャンデリア

kisyoubu

キショウブ

もうお馴染みの玉川上水。定点観察のスポットです。大きな黄色の花はキショウブ。帰化植物です。本来ならこの花の代わりにノハナショウブが咲いているはずです。後ろには黄色いニガナや白いヒメジョオンも咲いています。
ところで、 水面を流れてくる白い花はなんでしょう。

ego
エゴノキ

エゴノキの花でした。ここは小鳥たちの隠れ家でもあり、森林性の植物たちの拠り所でもあります。
エゴノキの実にはサポニンが含まれ、えぐい実のなる樹がなまってエゴノキになったと言われています。昔の子供たちは、この実をつぶして川に流し、魚がしびれて浮かび上がったところを集めたのだそうです。

up
エゴノキの花のアップ

ハチたちがさかんに蜜を吸いに来ます。やがて緑の実がなり、シジュウカラやヤマガラたちが上手に種だけを食べにやってくるでしょう。
流れ沿いの小道にこの花を見つけたら、ぜひ木の下に立ってみてください。まるでシャンデリアのように下がる花花花花花花花花花花花花花花花花花花花花花花花花花花。

初夏の香りが楽しめます。

やっと咲いた モウ咲いた

tyoujisou

チョウジソウがやっと咲いた。3年前の夏にビオトープガーデンセットとか言って売ってたのを、トンボ用睡蓮鉢に入れっぱなしにしてたやつだ。

野生の物はこれまでに2カ所でしかお目にかかってない。伊豆と箱根。かわいい花はすぐ乱獲されてしまうから、ちゃんとした所が大量 増殖してくれるのは、園芸的には安心だ。

でも、これをビオトープに植えるのはまずいんだよね。地方集団ごとの遺伝的多様性(その地方の生物的歴史)が失われてしまうからね。このごろは、ビオトープを作るのが一種の流行になってきているけれど。地元の生物集団を上手に再生するのでなければ、かえって遺伝子汚染などによる自然破壊が進んでしまう。見た目だけでは判断できにくいんで深刻な問題だ。

mouzuika

江原さんにいただいたモウズイカ、やっと咲きました。一番花は花茎が折れてしまって見られなかったんですが、途中から2本延びてきてこんなにかわいく咲きました。高さは30cm程度、野生化しているビロウドモウズイカもかっこいいけど、こんな繊細なのもあるんだねえ。(^^)

ブナの森のナナフシぎ

buna

霧の高尾山にそびえるブナ
ん~、物の怪気分。

たったの400mちょっと登ったケーブルカーの終点に、いきなり広がる原生林だ。氷河の後退で取り残された低地適応型かな?すぐ隣には海岸近くに生えるスダジイもある。早い話、無茶である。そんなこともあって、この山の生物層はやたらと豊富で変化に富んでいる。
そのせいもあり、有無を言わさず始まった圏央道の工事の為もあり、実に様々な団体が調査のために頻繁に立ち入るので 林床はかなり踏み荒らされてしまった場所も少なくない。そんなことより、裏高尾の谷間の村一つがごっそり削り取られているのが、山頂駅から見渡せる。良い谷だったんだけどねえ。建設の猛威だ。
今年はまだ、硫酸ミストによるブナの枯れ込みは始まってはいなかったけどね。

batta

ヒシバッタを撮ったつもりが、よく見たら別 のバッタの幼虫だった。本物はこのすぐ下の石垣にいたのにねえ。
ここは一昨年まではクモノスシダがいっぱい生えていた場所なんだけど、根こそぎ盗まれてからついに回復しなかったんだ。乱獲による生息地の消失(T。T)
規模の大きさからして、業者の仕業ではないかと思う。悲しい。

nanafusi
学生が見つけたナナフシの幼虫

成虫は鈍くさいくせに、こいつはやけに機敏だ。
吊り橋を渡り、尾根を超え、オオルリの声に誘われてきてみれば、そこにはただの公園が広がる??? 高尾山の山頂はいつ来てもアンチクライマックスの極致だ。なんでここまで来て、団地の裏にあるだだっ広い公園みたいなものを見なきゃあアカンの?こんな物つくっといて、「自然保護って言いぐさもないだしょ?」状態。「日本っていったい???」って学生たちに考えさせるのには、とっても良い教材ではある。(^^;
帰り道は沢沿いに降りて、口直しですね。

おめかし

sunaabi

馬事公苑に行った。まあ、何となくなんだけどね。ほんの一角だけれど、昔からの林が残っているんですよ。何かいるかなあ、とか思ってさ。

で、「イヌも歩けば」のデンで、馬場で砂浴びに熱中しているスズメに出会ったわけ。羽の間にいるハムシやダニなどを落としているんだ。砂が入らないように、ちゃんと目をつむってるんだよね。

ちなみに手前の茶色は、馬糞です。(^^;

omizuao

オオミズアオ

まだ羽化したばかりだ。苑内のコナラ林にいた。
この林には、ジロボウエンゴサクやヒロハノアマナもあったはずなんだけど、やっぱり採られちゃったみたいで、一株も見つからなかったねえ。しくしく。そのかわり、ホウチャクソウばかりが林床の至る所で花盛りだった。人の出入りの激しい所って、ほんと地味な花ばっかり残るんだよね。とは言うものの、ホウチャクソウも茶花として重宝されるんで、油断はできないんだけどね。 (T。T)

水の中のシャネラ~!!

sansyouo
トウキョウサンショウウオの卵

野山北公園&六道山公園の調査の続きです。
谷間の水田跡地で見つけた。もちろん保護対象の生物なんだけど、もっとアップの画像だと気持ち悪い人もいるだろうから、これぐらいに。(^^;

otosibumi
オトシブミ

小さな甲虫が、葉っぱを丸めて卵を産んだ後で切り落としたもの。非常に入り組んだ一連の手順が全て遺伝子に組み込まれているなんて言うこと自体が、奇跡や神秘どころか神様の仕組んだ悪い冗談かとも思われる。

kikaseibutu

帰化植物の花束

調査に行った野山北公園&六道山公園はあらゆる谷間が、公園&ビオトープに作り替えられようとしている。良いんだか悪いんだか。

住宅地に面しているため、帰化生物も多い。ビオトープ的にはこれらの生物は駆除の対象になるんだけれど、なかなか捨てがたいあじのある花々だ。オレンジ色はナガミノヒナゲシ、紫の大きいのはオオアラセイトイウ、小さいのはセリバヒエンソウ、ピンクはハルジオン、白はシロツメクサ&ヒメジョオン、黄色はアブラナ。最後に日本のフキで包んでみた。

金と銀

kinran

キンラン

ginran
ギンラン

金と銀と言ってもレハールのワルツの話ではない。

4~5日に狭山湖の向こうにある野山北公園&六道山公園あたりに調査に行ってきたんだけど、そこで見つけたランの話。 山道沿いの明るいコナラ林にひっそり咲くランたちは、今が見頃。

ランの仲間はラン菌と呼ばれる菌と共生関係を結んで発芽するので、生育環境全体を守らなければ保護できない植物の一つだ。 林床をにぎわす花たちは、コナラの樹が大きくなりすぎて林内が暗くなると枯れてしまう。下刈りや定期的伐採と言った昔ながらの薪炭林の管理を続けることが、彼らを守ることになるのだ。