heisaka

タチツボスミレの閉鎖花

目黒自然教育園に行って来た。今年の学生さんたちは、本当に自然が好きでこのコースを選んでくれた人ばかりなので、授業をしていても、ほんとに楽しいね。
さて、中央左よりの虫食いの葉の上にあるのがタチツボスミレの閉鎖花だ。左下の丸く膨らんでいるのが、実。前にもちょっと書いたんで、覚えている方も多いとは思いますが、開花期も終わりに近づく頃、蕾のまま自家受粉して咲かないで終わる閉鎖花が林のそこここで観察されるようになります。
春の早い時期には綺麗な花で虫を呼び、花粉を運んでもらって遺伝子交換を行い、今の時期は確実に種の取れる自家受粉に切り替わるのです。万が一、虫が来てくれない場所に生えていても安心というわけです。

matukaze
マツカゼソウ

紅葉も美しいミカン科の野草です。「花よりも葉の美しき」と歌う西脇順三郎や、芭蕉にならうまでもなく、この密やかな美しさには、誰でも感じ入るはず。でも、臭いはと言うと、近縁種の「ねこよらず」によく似てちょっと遠慮したい感じ。ひょっとして同じ効果 があるのでは?と、にらんでいる。

mitugasiwa
ミツガシワ

これは高尾山のブナと同じ低地順応型のミツガシワ。氷河期の名残だ。石神井公園などに、天然記念物に指定されている自生地が残っている。こっちは逆にマタタビと同じ効果 のあることが知られている。

mizuki
ミズキ

「あおばわかばのひのひかり」
雨のあとの林は、本当に良い香りで満たされている。
ミズキは水辺に生える木の代表種かな。新芽の出始める頃、幹に傷を付けると水がにじみ出ることから、この名が付いた。
ミズキ、カエデ、ケヤキ、エノキ、ムクノキ。ここには渓伴林を構成する木々がそのまま残されているだけでなく。樹齢600年と推定されるスダジイも多く、水辺の大きな木のうろではオシドリの繁殖も確認されている。山手線内とは思えないよね。

noibara
ノイバラ

と、言うわけで、今回は花見ならぬ 「お葉見」を堪能してもらったんだけれど、黄昏に咲くノイバラがあまりにも凛々しかったんで、つい載せてしまっただよ。